大好きです
トキヤっ!
見てみてこれーっ!
何だと思う? ねえねえ!
正解は、俺からトキヤへのプレゼント!
今日がトキヤの誕生日じゃないことくらいちゃんと知ってるってばぁ。
今までありがとうっていうお礼だよ!
……
ううん、俺は何にもいらないよ。
俺がトキヤにあげたかっただけなんだ。
ねえ、開けてみて!
喜んでくれるといいなあ。
トキヤは好きだと思うんだけど。
……
へへ、ホームプラネタリウムって言うんだって。
家でプラネタリウムが見られるんだよ!
トキヤってさあ、結構星とか好きだよなあと思って。
もう寝るんだし、付けてみてよっ!
電池入れてー。
いい? 電気消すよ!
ほら、付けて付けてっ。
……おおーっ、すっげー!
ほんとにプラネタリウムだあ!
綺麗だなー。
星座とか星の名前とか分かったら、もっと楽しいんだろうな。
ねえ、あれとか星座っぽいけど何て名前かなあ?
……
大丈夫だよ、転けたりしないってば。
……じゃあ、そっち行っていい?
一緒に見ようよ!
……
えっ、ほんと? 絶対ダメって言われると思ったのに。
お邪魔しまーすっ。
あっ、どうせだから寝転んで見よう!
そしたら、部屋中の星が見られるよ!
ねっ、腕枕してあげるから……あっそう、いらないか……。
いいよ、俺は寝転ぶから。
……なんだ、やっぱりトキヤも寝るんじゃん。
……
はーい、黙りまーす。
……………………んー? なに?
……
だから、俺がトキヤにあげたかっただけなんだってば。
気にしなくていいんだよ。
……
なら、トキヤからキスしてよ。
えーっ、ダメなの?
それが一番のお礼なのにさあ。
トキヤからしてくれることってあんまりないじゃん。
それに、今日くらいさあ……。
だって、明日で卒業だよ? この部屋ともお別れだよ?
ねっ、お願い!
……
やった!
目は開けてた方がいい? それとも閉じる?
じゃあ、開けてよっと。
俺はいつでもいいよ! 早く早くっ。
………………
……トキヤァ……まだー?
……ちぇっ、どっちでもいいって言ったのに……、分かったよ閉じるって。
これでいい?
…………
トキヤにキスしてもらったー!
はい、ご褒美のキスっ。
そんなに照れなくたっていいじゃん、今更だよ。
でも、そんなとこも好きだけどね。
……星ってほんとに綺麗だなあ。
暗い所でいくつもキラキラ輝いててさ。
小さい時、星の光がもう何年も昔の光だって知った時はビックリした。
……
トキヤも?
小さい時のトキヤも、そんなの当然でしょうとかって言ってそうだからさあ。
そっかそっか、でも誰だってビックリするよね。
1光年って、えーっと……何メートルだっけ……忘れちゃったけど、すっごく進むのに、それでも地球に届くまで何十年と掛かるんだもんね。
ねえ、トキヤ。
この1年ってすっごく早かったね。
1週間前くらいに入学した気分だよ。
でもいろいろあったな。
授業は面白かったし、歌うのは本当に気持ちよかった。
周りの奴もすっごくいい奴ばっかだったしさ。
だけど、明日でこことお別れかぁ。
あっ、トキヤ、優勝本当におめでとう!
俺、あの曲大好き! だから、もっかい歌ってよ。
ちょっとだけ、ねっ?
……うん!
……トキヤが歌ってるの見るの、好きなんだ。
ちゃんと聞いてるよっ、だけど、見てるのも好きってだけ。
トキヤの歌を聞きながら、トキヤが歌うの見てると本当にドキドキする。
いっつも綺麗だけど、もっと綺麗になるっていうか、一生懸命な姿に惹かれるっていうか、ずっと見てたくなるっていうか……。
あれ、俺何言ってるんだろ?
まあ、いっか。
あっ! もちろん歌ってなくてもトキヤの事好きだからね!
だから、心配しなくていいよっ。
……
えー、何って、キスして、好きだよーって、教えてあげただけだよ。
……
まだ寝たくないな。もっと話そうよ。
例えば……、トキヤがHAYATOだって知ってビックリしたって話とかさ。
普通はできないよ。
自分と正反対の性格をずーっと演じたり、人気アイドルと学校生活を両立するなんてさ。
トキヤって完璧主義だし努力家だから、どれも手なんか抜けなかったよね。
本当に尊敬してるんだよ。
これからは、HAYATOじゃなくてトキヤとして頑張っていこうな。
俺ももちろん頑張る!
それで、すぐに一番人気なアイドルになって、皆を笑顔にするんだ。
……
そうだね、きっといろいろ大変だし簡単じゃない。
辛いことも多いよね。
でも、トキヤが一緒なら俺はどんな事も乗り越えられる気がするよ。
トキヤが今までみたいに俺を叱りながら、時々甘やかしてくれたら、どうにかなる。
だから、ずっと俺の隣にいて。
俺も、トキヤの事支えるよ。
辛かったらいつでも話聞くし、いっぱい好きだって言ってあげる。
泣きたかったら、俺の前ではたくさん泣いていいからね。
……ねえ、キスしていい?
……
どうしてって、聞いておこうと思ったからかな。
でも、よく考えたらトキヤってほんっとに素直じゃないから、正直にうんって言ってくれないよね。
だから、勝手にするっ。
…………
……なんでトキヤの唇って柔らかくて甘いんだろ?
ずーっと不思議だったんだ。
そんな事あるって! ……ほら、やっぱりそうだよ。
トキヤの唇見てると、ついキスしたくなっちゃうんだよなあ。
学校で話してる時とか、我慢するの苦労したんだからねっ。
歌うの見てる時はね、キスしたいなーってのと、もっともっと聞いてたいなあっていうのを同時に思ってたからどうしよーって感じだったな。
よし、トキヤ、もっかい。
………………トキヤ、可愛い……………………。
本当に可愛い、本当の本当に好きだよ……。
……なんか寂しくなってきたな。
なんでだろうね、これからもトキヤにちゃんと会えるし、皆ともお別れじゃない。
明後日には夢への第一歩を踏み出せる。
それなのに、寂しいんだ。
どうしてかなあ、……この部屋でトキヤと暮らしてた生活が終わるからかな?
……きっとそうだ。
初めてこの部屋に入った時、とってもワクワクしてドキドキしてた。
だけど、明日の夜には事務所の寮で一人暮らしだもんなあ。
もう荷造りもして送ってるから、部屋に何にもないもんね。
トキヤと一緒に入寮の準備してからあっという間だったな……。
俺、トキヤと同じ部屋でよかった。
きっと、他の誰と同室になってても楽しかったと思う。
だけどさ、トキヤとじゃなきゃこんなに幸せになれなかったよ。
俺、何度も叱られたね。
ちょーっとだけ、うるさいなあと思う時もあったけど、全部俺のためだったから嬉しかったよ。
……
ううん、トキヤは十分優しかったよ。
ただ素直じゃないだけだって最初から知ってたしさ。
トキヤと同じ部屋になれて、友達になれて、それ以上好きになって、トキヤも俺のこと好きになってくれて、恋人になれて。
幸せだったよ。
……
なに?
……
あっ、ごめん。そういう意味じゃないんだ。
今までも幸せだったけど、これからもちゃんとトキヤと幸せになるつもりだよ。
ねえ、トキヤはどうだった?
俺といて楽しかった?
…………わ。
何も言ってないのに、トキヤからキスしてくれた……。
初めてだよねっ?
俺がねだったらたまにしてくれてたけど、本当にトキヤからって初めてだよね?
……
ないない! 文句なんかある訳ないって!
すっげー嬉しい!
……
そんなにニヤニヤしてる? ニヤニヤしちゃうよぉ、嬉しいんだもんっ。
今でもう十分幸せだと思ってたのに、もっと幸せになれるんだね……。
トキヤ。
俺、トキヤの事大好きだよ。
それで、これからもトキヤの事大好きだからねっ。
「音也」
ん?
「 」
っ……、うんっ!
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